長良川カップ国際青空ミーティング スケート・スポーツ 次世代人材発掘プロジェクト

11月4日、フランスから元世界チャンピオンのパスカル ブリアンさんと、インドネシアからDKIジャカルタチームの4名の選手を迎え、長良川カップ国際青空ミーティングが開催されました。

テーマは世界のインラインスケートの状況と現状と今後の展望。バンクーバーオリンピック出場経験もあり、様々なスケートのスポーツでマルチに活躍している元世界チャンピオンのパスカルさんが、世界的な現状と今後のオリンピックについての展望を語り、インドネシア代表のラティファ ヒクマワティさんがインドネシアの現状を語りました。

スケート・スポーツ次世代人材発掘プロジェクトのリーダーで、元日本チャンピオンの風巻大翼さんが通訳を兼ねて解説をし、長良川カップ実行委員の内記淳司さんが総合司会を務めました。

なお、このプログラムは助成: 国際交流基金アジアセンター アジア・市民交流助成からの助成金及び岐阜県インラインスケート協会の協力により実施しました

東京に続き24年に開催されるパリオリンピックに尋ねられたパスカルさんは、2024年のオリンピックに向けて、国内外に向けてローラースポーツを更に発信したい、それは我々にとって素晴らしい経験になるだろうと語りました。また、今年から発足したローラーゲームスで、スピードスケーターのみでなく、全てのローラースポーツを愛する人々が結束し、考え方の違いなどを乗り越えていけばオリンピックなどに繋がっていくだろうと展望や目標を参加者に伝えていました。

参加者で世界的インラインアルペンの選手の尾崎惇史さん(東京都)からは、ローラースポーツには複数の競技があって皆色々な文化があるが、皆で協力するにはどうすれば良いでしょうか?という質問があり、パスカルさんは「複数の競技にまたがるイベントを開催するのが良いと考えます。例えば、スピードの大会とスラロームの大会を同時に行うなどです」との回答が有りました。

なお、長良川カップでは、今年もスピードイベントとホッケーが同時に行われており、以前はスラローム、インラインクロス、ダンスなどの様々なジャンルのインラインスケートイベントが同時に行われていた経緯があり、今年から開設されたローラースポーツの世界選手権が一同に集まった祭典「ローラーゲームス」の先駆け的な大会ともいえます。

様々な考え方の違うスケーターたちが力を合わせる事により、より大きなムーブメントを作る事ができるのかもしれません。

総合司会の内記さんからは、現在の日本のインラインスケートの状況や長良川カップの現状の説明が有りました。世界では着実にインラインスケートのムーブメントが大きくなっており、日本でもスケーター自体が大きく減ったという訳ではないと思うのですが、長良川カップも含め大会参加者が減り続けています。また、大会運営や後進を育てる人材が他のスポーツに比べて少なく、このスポーツに携わる人々の意識改革の重要性を参加者たちに訴えました。

また、参加者の戸取大樹さん(東京)から、パスカルさんに「どのようなイベントを行うと多くの参加者が集まりやすいか?」という質問では、ルマン24時間に代表される長距離イベントが、それぞれのレベルや年齢でも自分のペースで滑る事ができ、より多くのスケーターを集める事ができるとアドバイスがありました。これは内記さんのライフワークでもある、ウルトラスケートイベントに通ずるものがあり、自信を深めた様子でした。


解説の風巻さんからは、今回の企画、スケート・スポーツ次世代人材発掘プロジェクトの趣旨説明が改めて行われました。

選手として実績を残す...世界チャンピオンを招聘し技術を学び、実力がマッチしているインドネシア選手とレースをする事で経験を積む事。
スポーツとして一定の地位を獲得しているインドネシアやフランスの考え方を学び、意識改革をしていく事。
そして、スケート人口を増やすために、イベントの企画や手配ができる人材の発掘。つまり、次世代の内記さんや風巻さんの両親のような人材の発掘が急務だと訴えていました。


最後にパスカルさんから、スケートを楽しみお友達を沢山作りましょうと子供たちにメッセージがあり、あっという間に時間が過ぎてしまったように感じた1時間でした。